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In London/Elis Regina
 In London / Elis Regina
  イン・ロンドン / エリス・レジーナ

82年に36歳の若さでこの世を去ったブラジルのエリス・レジーナ。ブラジル音楽史上だけにとどまらず、今も世界中の音楽家に多大な影響を与え続けています。このアルバムは1969年のロンドンでオーケストラをバックに録音したもの。驚くのはこのアルバムがたった二日で録音され、しかも、2000年もゆうに過ぎた今もなおまったく色あせていないことです。のびやかで、どこまで突き抜けていくようなエリスの歌声。それに触発されるようなバックの演奏の力強いこと! エリスの歌からなにからテンションかなり高めです!


A Paz/伊藤ノリコ
 A Paz / 伊藤ノリコ
  ア・パィス〜平和 / 伊藤ノリコ

女性歌手のボサノヴァって、ささやくようなちょっと鼻歌まじりの歌いかたって印象が強いようで、ボサノヴァってどれ聴いても同じだなんて思われがちです。が、伊藤ノリコさんはひと味もふた味も違います。クリスタル・ヴォイスとでも呼びたくなるような透明感のある歌声。その声を聴いたなら、それまでのボサノヴァに対する考え方が変わるのではないかと思います。声質だけではなく歌唱力も素晴らしく、その実力を裏打ちする音楽キャリアも兼ね備えています。ボサノヴァの巨匠であるジョアン・ドナートを迎えてのこのアルバム。ドナートをして、『自分のスタイル、高い音楽性を持つこの上なく魅力的なカントーラ』と言わしめたほど。ドナートとの心地よい音のコラボレーション。その後、ドナートからの強いオファーでブラジルでのドナートのライブにゲストとして招かれているのだからすごいもの。真に素晴らしいアーティストである彼女だからできたんだと納得します。このアルバムではさらに、ワンダ・サーというボサノヴァの歌姫までゲストで参加しています。個人的に♪Esperando a Primavera♪という曲がかなり好きです。聴くたびにみぞおちあたりにキュッとくる切なさ。それでいて明るさを感じさせるという情緒感溢れる曲です。いいなあ。
 
ベーシックでいてオリジナリティ溢れるという、二つの要素が巧みに絡みあった一枚です!


パウリーニョ・ダ・ヴィオラ
 Meu Tempo E Hoje / Paulinho Da Viola
  今、我が時〜メウ・テンポ・エ・オージェ / パウリーニョ・ダ・ヴィオラ

60歳を越えるパウリーニョの通 算26枚目になる本アルバムは彼のベスト選曲集です。ブラジルのサンバと、ショーロという音楽の味わい深さを実感させてくれます。おじさま好きなわたしにはこのジャケットもたまりません。実はジャケ買いした一枚です。


極楽鳥/オレンジ・ペコ
 極楽鳥〜Bird of Paradaise / Orange Pekoe
  極楽鳥 / オレンジ・ペコ

オレンジ・ペコは、男女二人のデュオグループ。ジャズやブラジル音楽のフレーバーの強いグループと言えるでしょうか。その「オレペコ」の3曲収録のミニアルバムがこれです。初回限定盤ということで、ライブDVDが付いています。なんとなくDVDにおまけのCDが付いていると錯覚してしまいがちですが、DVDのほうが特典のようです。実はここに収録されているライブは、実際にわたしも足を運んだものなのですが、このとき生で聴いた(見た)オレペコの演奏は、感動ものでした。このDVD、あのときの感動をそのままぎゅっとパッケージングしてます! 限定盤とのことですが、デビュー当時から人気の高かったデュオということでかなりの数プレスされたよう。意外と手に入りやすいようですよ。


Obrigado Brazil/ヨーヨーマ
 Obrigado Brazil / Yo-Yo Ma
 オブリガード・ブラジル / ヨーヨーマ

ヨーヨーマがブラジル音楽に真っ向から取り組んだ意欲作。とっても優雅ですう!贅沢ですう!ゲストにブラジルのホーザ・パッソスが参加。キュートな声を聴かせてくれます。しかもギターにわたしが好きなアサド兄弟まで参加してます。 ヨーヨーマは中国人のチェロ奏者ですが、二胡などの弦楽器にも似た情緒感があるのはやはり国民性かしら。その音色はとても壮大で力強く、目の前に鮮やかな風景が広がっていくよう。素晴らしい演奏に酔いしれます。


Sweet Deal/渡辺貞夫
 Sweet Deal/ 渡辺貞夫
  スイート・ディール / 渡辺貞夫

このジャケット写 真だと判りませんが、文字が金の箔押しです。とってもゴージャスなイメージを与えます。見た目にたがわず内容もゴージャス。『音の叶姉妹』とでも表現したくなります(笑)。すみませんちょっと脱線しました。現在進行形の渡辺貞夫さんのジャズという感じのアルバム。ジャズというジャンルはトラディショナルで、スタンダードなものだけど、そのスタイルはいつも時代とともに変化しているっていうことを聴いていて改めて感じます。
  ラストの♪Cycling♪がエレガントなジャズって感じで絶妙な気持ちよさ!さすが!


ニジンスキー/宮野弘紀
 Nijinsky's Reflection In The Mirror / 宮野弘紀
 ニジンスキー・リフレクション・イン・ザ・ミラー / 宮野弘紀

アコースティック・ギターの名手、宮野弘紀さん。すさまじいテクニックを持ちながら、それは聴くものを圧倒する類のものではなく、聴くものを異世界へと誘うというもの。ひたすら心を魅了する深みのあるものなのです。こうした音楽性は長いキャリアのなかで培われたものなのかなあ。ぼくがはじめて宮野さんを聴いたのはライブでした。そのときの衝撃は今も忘れません! 宮野さんが弾きだした途端に、場の空気ががらりと変わったのです。その音の表現力の強さ! 薄暗い会場内にいながら、目の前が色鮮やかに輝きだしたのです。木の緑、空の青。そして立ち上るさわやかな空気の匂いと、心地よい風を肌に感じたのです。音を聴いて、聴覚以外の感覚が刺激されて、ライブ会場にいながら別 世界へと誘われました。そんな体験は生まれてはじめてのことで、鳥肌が立ちました。一人で聴きにいっていたそのときのぼくは、この衝撃と感動を誰かに伝えたくて伝えたくて仕方なかったのを覚えています。
  以来、
もう何度となくライブを聴いたけれど、聴くたびにそんな不思議な体験をしています。宮野さんがあみだした「さざ波奏法」の流れるような音のきらめき。その音を奏でる指先が、なにか熟練の画家が筆をふるうような姿に見えてまう。音を聴いていると宮野さんは本当に「心」を描くミュージシャンだと想います。50代に入って貫禄も増すいっぽうで、少年のような無邪気さのようなものも秘めていて、それが時々音にも顔を出す。魅力的です。
 
2002年にリリースされたこのアルバムに漂う緊張感とリラックス感。そこに人間宮野弘紀の色鮮やかな世界が見えてきます。


ルゥからの手紙/コラリー・クレモン
Salle des pas perdus / Coralie Clement
ルゥからの手紙 / コラリー・クレモン

聴きやすいフレンチ・ポップス。どことなくジェーン・バーキンを彷彿とさせる雰囲気があります。ささやくような声。けっこうクセになります。


ニュー・スタンダード/南佳孝
New Standard / 南佳孝

92年に発表されたこのアルバムは、ジャズやボッサのテイストが強いアルバムだと思いますが、どの曲においても佳孝さんの艶のある声が素敵です。作詞は全曲、小泉亮さん。小泉さんの詞、かなりぼくのツボでした。♪地上の虹♪という曲で描かれる少年像が、南さんの曲と絶妙に合っていて、何度となく心を打たれました。


Sweet Sphere/野呂一生
 Sweet Sphere / Issei Noro
 
スウィート・ソフィア / 野呂一生

歌詞の無いインストグループであり、日本が世界に誇るグループ“カシオペア”のリーダーである野呂さんのファースト・ソロアルバム(2007年8月現在カシオペアは活動中止中)。85年に発表されたこのアルバムは野呂さん以外は皆アメリカ第一線のミュージシャンばかり。当時は20代の野呂さん、すでに貫禄があり海外の凄腕ミュージシャンのなかにあってもそこに埋もれることなく、異彩 をはなっています。高校生の頃、よく聴いたアルバムですが、今でもときどき無性に聴きたくなる一枚です。野呂さんのセンス(霊感)と存在感、好きです。


銀河鉄道999/青木望
 交響詩 銀河鉄道999 / 青木望 他

アニメ“銀河鉄道999”が大好きでした、映画版。小学生の時、映画館に観にゆき、感動したものです。  その後成人してから、何度かレンタルビデオでも観ました。ある日急にこの映画の音楽が聴きたくなり買ったのがこのサントラ。 映画公開当時に大ヒットした多国籍音楽グループ「ゴダイゴ」によるテーマ曲も入っています。さておき、このアルバムの9割を占める青木望さんのスコア! これが最高なのです。映画の作中に出てくる鉄郎とメーテルの最後の別 れのシーンで、子供心になんて綺麗な曲だろうと思ったものです。 時々引っ張っりだして聴き直すと、少年の頃の気持ちが蘇ります。  


ピエロ・ピッチオーニ
 i giovani tigri / Piero Piccioni
  ザ・ヤング・タイガー / ピエロ・ピッチオーニ

ピエロ・ピッチオーニはイタリア人の作曲家にして、ブラジル音楽に対する造詣も深い人でした。ボサノヴァがこの世に現れてまもない時代から、いち早く自身の曲にボサノヴァを取り入れていたけれど、それは借り物としてではなく、ピッチオーニ自身がボサノヴァを愛していたことがひしひしと伝わってくるほどのクオリティの高いものでした。想いいれの深さと試行錯誤の末に生み出されたような楽曲がたくさん残っています。このアルバムにも、そんなピッチオーニのブラジルテイストが曲がぎゅっと詰まっています。
 
ジャケットが変わっていて、透明に、黒い格子のフィルムがかかっています。フィルムの位 置によって、ジャケットが女性の顔になったり男性の顔になったり。その中間の絵になったりします。なので、ジャケットの絵柄を頼りにこのCDを探すと迷うかもしれません。タイトルで探すのが良いみたい。


声とギター/ジョアン・ジルベルト
 Joao voz e violao / Joao Gilberto
 声とギター / ジョアン・ジルベルト

あまりコンスタントにアルバムを出さない印象のジョアン・ジルベルト。2000年を過ぎてからもときどき、活動をしているみたいですね。このアルバム2000年を過ぎてから出た久しぶりのもの。カエターノ・ヴェローゾがプロデュースするこのアルバムは、タイトル通 り、ジョアンの歌声とギターのみ。以前のストリングスやブラスサウンドを取り入れたサウンドとはやはり違った意味での成熟を感じさせてくれますね。素晴らしい。


カーサ・ダ・ボッサ
 Casa Da Bossa / ao vivo

ブラジルのミュージシャンたちによるボサノヴァ集。ライブ録音。贅沢なラインナップ。ジョニー・アルフ 、ジンボ・トリオ、ワンダ・サー、クアルテート・エン・シー、ジョイスなどなど、そうそうたる顔ぶれのライブ演奏を収めています。 アルバム全編のバックを務める陣営も豪華。マイケル・ブレッカーや渡辺貞夫との共演したこともあるホメロ・ルバムボ(g)、故エリス・レジーナの夫でもあるセザール カマルゴ マリアーノ(P)、、イヴァン・リンスのバックを務めていることでも知られるテオ・リマ(dr)若くして他界してしまったニコ・アスンサォン(b)等々、実力派揃い。ライブにもかかわらず粗さはなく、上質で安定した演奏が繰り広げられています。


ピエロ・ピッチオーニ
 Bello, Onesto, Emigrato Australia, Sposerebbe Compaesana Illibata
/ Piero Piccioni

長いタイトルのイタリア映画。その名前のまんまの長いタイトルのサントラです(笑)。オリジナルジャケットのレコードは高値で入手困難。これはCDによる再発もの。ストリングスを前面 に押し出した1曲目からピエロ・ピッチオーニの美しいメロディーに癒されます。全編ロマンティックなピッチオーニ・サウンドといった印象。クオリティの高いアルバムです。
  この映画、タイトルから察するにオーストラリアを舞台にした映画のよう。日本未公開で、ぼくも観ていないですが、ジャケット写 真はなんとなくコメディっぽいと思ってしまいました。が、中面 に使われている映画のなかのシーンの写真は 味があってなんとなく大人のラブストーリーのような感じもあります。なにはともあれ、ピッチオーニの音楽を聴いていると、良い映画なのだろうなと思わせてくれます。


ピエロ・ピッチオーニ
 Incontri Proibiti / Piero Piccioni

イタリア喜劇界の名優アルベルト・ソルディと、お色気女優ヴァレリア・マリーニ主演の映画のサントラ。音楽はピエロ・ピッチオーニ。 日本未公開作品のこの映画は1998年作のもの。その数年後にピッチオーニも主演のソルディも立て続けにこの世を去ってしまいました。
 アルバム自体は、タンゴありボッサありスキャットありと、ピッチオーニサウンドを満喫できる心地良さ抜群のイージー・リスニング。冒頭のテーマ曲をはじめアルバムの随所に現れるそよ風のような清涼感あるストリングスアレンジが見事です。暑い日に部屋で流したなら、室温が数度下がるのではないかっていうくらい涼しげな音です。プラスαで、本映画のものではないピッチオーニの音楽も入っています。それらも含めここにある晩年のピッチオーニのスコアには一音一音に胸を打つ響きを感じます。この円熟の極みのような音。「イージー・リスニング」というと、軽く聞き流せるぶんいまひとつ輪郭のはっきりしない音楽という感じですが。ピッチオーニの音楽の場合、軽く部屋に流しておけて、それでいて心を打つ強い訴求力があるのです。自然体で聴けて、それでいてひきこまれてしまう。個人的にこのアルバムは「イージー・リスニング」とか「ラウンジ」と呼ばれるジャンルの究極形とも想っています。
 
また、ジャケットの中面 や背面に使われたシーンの写真とピッチオーニの音楽が絶妙にマッチしていて、無性に本編を観たくなります。


スティング/スコット・ジョプリン
 The Sting / Scott Joplin

アカデミー賞の7部門を受賞した映画「スティング」。詐欺師の物語。音楽もアカデミー音楽賞を受賞。変則的なリズム(シンコペーション多様)の音楽”ラグタイム”そのラグタイムの代名詞的存在ともいえるスコット・ジョプリンによるサントラです。


ピエロ・ピッチオーニ
  Camille 2000 / Piero Piccioni

1970年に公開された映画「Camille 2000」(邦題は「炎」)のサントラです。映画本編はアレクサンドル・デュマ・フィスによる有名な「椿姫」を現代風にアレンジしたというもの。エロティックな内容の映画で、当時としてはかなり刺激が強かったよう。音楽は70年代はじめらしく、ハモンドオルガンの特有の艶のある音色がアルバム全体を彩 っているような印象です。そのせいか、ここで聴かれるボッサやジャズも、どこかサイケデリックな印象を受けます。妙味あふれる一枚。


避暑地まで/日向敏文他
  Down To The Resort(避暑地まで)
 
  / Various Artists
アルバムタイトルどおり、涼しい曲揃いのオムニバスアルバム。86年に出たこのアルバムは、当時台頭してきた「ニューエイジ・ミュージック」と呼ばれるジャンルのミュージシャンたち(Water Melon Group、日向敏文、Inoyama Land、Interior、Test Patternなど)が一同に会したアルバムでした。CDのタイトルとはうらはらに、自分の通 っていた高校の卒業式、しかも雪の日に買ったCDでした(笑)。

シネマ・アモーレ/宮本文昭
 Cinema Amore / 宮本文昭

日本を代表するオーボエ奏者、宮本文昭さん。その宮本さんの映画音楽のカヴァーアルバムです。宮本さんのオーボエには本当に癒されます。このアルバムは選曲も素晴らしく、映画音楽のスタンダードから最近の曲まで、バランスよく良質なラインナップです。
 宮本さんは2007年に引退されましたが、いつかまたそのオーボエの音色を聴かせてほしいです。


ピエロ・ピッチオーニ
 Una Vita Violenta / Piero Piccioni

1962年の映画のサントラです。映画自体の監督はパオロ・オイシュ、出演がフランコ・チッティ、セレナ・ヴェルガーノ。日本では未公開の映画。タイトルは直訳すると『バイオレンスな人生』になるようです。このサントラ盤はイタリアからの輸入盤です。音楽はピッチオーニのスコアをビッグバンドで演奏という感じ。ジャズをベースにツイストやワルツのテイストも取り入れていたり、ヴァイオリンやトランペット、マリンバ、チェンバロなどの楽器の特性をうまく取り入れてる印象。イタリアンジャズとでもいうべき洒落たジャズを堪能できます。


ピエロ・ピッチオーニ
  Appassionata / Piero Piccioni

1974年作品の映画「アパッショナータ」のサントラ。映画本編は娘の友達に恋してしまう父親の物語だそう。日本では劇場未公開ですが、過去にタイトルを換えてビデオ化されたことはあるようです。さて、このサントラですが、ピッチオーニの抑えめで品のあるスコアばかり。心地よいイージーリスニングといった趣きです。


ニューヨーク・ヴォイセス
  Hearts Of Fire / New York Voices
  
ハーツ・オブ・ファイア / ニューヨーク・ヴォイセス

コーラスグループ、ニューヨーク・ヴォイセスのセカンドアルバム。ジャズやブラジル音楽など多ジャンルの要素を現代風に取り込みつつ洒落たコーラスを聴かせてくれます。透明感あるサンバ♪Sassy Samba♪という曲は、ドラマティックでな展開で、何度聴いても感動させられます。


サイレント・サヴァンナ/ナニワエキスプレス
  Silent Savanna / Naniwa Express
 
サイレント・サヴァンナ / ナニワエキスプレス

フュージョン・グループ『ナニワエキスプレス』。1986年、人気絶頂のさなか突然解散したということもあり、伝説のグループとして人々に記憶され、そのテクニックの高さとパワフルな演奏は今も語り継がれています。解散の前年に出された本アルバムは、ゲストにジャズトランペッターの日野皓正を迎えての意欲作でもあり、最後のオリジナルアルバムともなりました。
 80年代後半、ナニワエキスプレス(以下「ナニワ」)をはじめ、「フュージョン」と呼ばれるジャンルの人気が最盛期で、それらの音楽がたびたびCMに起用されたりしていました。そしてこのアルバムの一曲目♪The Lady Of Toledo♪も、某ひげ剃りのCMに使われていました。日野皓正のコルネットが伸びやかに響くCM曲もさることながら、このアルバムには成熟したナニワの音がぎっしりと詰まっていて、やはり他のグループにない独特の世界観をかもしていたように思います。昔のアルバムが好きなファンには不評だったようですが、ぼくはこのアルバムが一番好きでした。 「モダンさ」と「土臭さ」という相反する要素がナニワの魅力だと個人的には思っていますが、そのナニワカラーがもっとも色濃く出たのがこのアルバムだったと思うのです。また、ジャケットの絵はそうしたナニワの性質をうまく表しているような気がして好きでした。これからどんな風にナニワの世界観が拡がっていくのだろうと期待していた矢先に解散。今でもその当時のショックははっきり覚えています。
 このアルバムを聴くと、ぼくは「戦う男モード」になります(笑)。それほどに男臭いナニワのパッションが伝わってくるアルバムです。

 
※ナニワエキスプレスは93年に突然アルバムを出し、その後2003年あたりから本格的に再活動しているようですが、フルメンバーというわけではないようです。


Lauviah/プリズマチカ
 Lauviah / Prismatica
 
ラウヴィア / プリズマチカ

プリズマチカは90年代中頃、日本の音楽シーンに現れました。ブラジル音楽を土台にしながら、クラブ系音楽に聴かれる打ち込みなどの要素もとりこんだり、新しい感覚のグループでした。 従来のブラジル音楽ファンだけではなく、広くアピールするポップさ、素晴らしいです。メンバーは、Cilene O'hara(Vo)、越田太郎丸(G)、草間信一(P)のオリジナルメンバー。ファーストであるこのアルバムは、そんなプリズマチカのポップなセンスがぎっしりです。


Ar Livre//プリズマチカ
 Ar Livre / Prismatica
 
アール・リブレ / プリズマチカ

プリズマチカのセカンドアルバムです。名曲♪イパネマの娘♪や♪Ave Maria♪をクラブ音楽風のアレンジで聴かせてくれたりと、意外性たっぷり。初のオリジナル曲♪Why Not Brasil♪は、プリズマチカのブラジル音楽への想いの強さがよく伝わってきます。名曲です。


Overdrive/プリズマチカ
 Overdrive / Prismatica
 
オーバードライブ / プリズマチカ

ブラジリアンテイストに溢れるプリズマチカのサードアルバムです。プリズマチカの音楽はプログラミング(打ち込み)によるものも一つの味ですが、このアルバムではそちらはやや控えめな印象で、アコースティックな色合いのブラジル音楽という印象。ヴォーカルのCilene O'hara(シレーニ・オハラ)さんがジャケットに! 素敵!


Party!Party!/プリズマチカ
 Party! Party! / Prismatica
 
パーティ!パーティ! / プリズマチカ

「聴きやすくて心地よい」、というのがプリズマチカのすべてのアルバムに共通 している印象です。とりわけこのアルバムはかなりお気に入り。わたしには一番なじみ深いアルバム。♪can't take my eyes off of you♪のカヴァーには感動しました。もともとが有名な曲なので、この曲を取り上げるというのは、いっぽうでプレッシャーやリスクもあると思うのですが、プリズマチカによるカヴァーはそんな心配もあっさりと吹き飛ばしてくれます。快作です。


 PIQUE / Prismatica
 
ピッキ / プリズマチカ

99年に出たプリズマチカのベストアルバムです。このアルバム以後、新しいアルバムを出していないプリズマチカ。もともとライブ活動やメディアへの露出などの目立った活動をしていなかったためか、情報が少ないのもプリズマチカの特徴(?)。いつの日か、改めて活動を再開してほしいです。


ボッサ・バカラック
 Bossa Bacharach
 
ボッサ バカラック

日本のブラジル音楽・ボサノヴァシーンを代表するミュージシャンたちが、アメリカのメロディメーカー、バート・バカラックの曲を取り上げたアルバムです。Saigenjiさんの躍動感溢れる歌声が素敵。人気ボサノバグループ”プリズマチカ”のヴォーカリストとしても知られるCileneさんも参加して、これも嬉しい。バカラックメロディの心地よさを改めて実感できる贅沢なアルバムです。



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