ぼくが小学6年生の頃、(79年頃)ラジオから♪ルート88♪という南佳孝さんの曲が流れてきました。ライブを収録した音源でしたが、そのあまりのかっこよさに、年若きぼくはたちまちのぼせ上がったのでした。まもなく中学生になったぼくは、小遣いを握りしめ、
♪ルート88♪が収録されている『Speak
Low』というアルバムを買いにレコード屋(死語か)さんに行ったのでした。ぼくがはじめて買った特定のアーティストのレコードは南佳孝さんのこのアルバムでした。30年近く経って懐かしくなり、改めてCDで購入しました。
79年に発表されたこのアルバム。当時大ヒットした♪モンロー・ウオーク♪なども収録されているので、当時を知る人には知られたアルバムかも知れません。作詞家は、松本隆さんと来生えつ子さん(南さん自身はこのアルバムで作詞はしていません)。とりわけ南&松本コンビはこの時代ベストな組み合わせだったなあと思ってます。松本さんの詞は物語性が強くて、ビジュアル的なのです。歌を聴いていて、頭に映像が浮かぶというか、映画を観ているような感じです。♪ライオン・アンダー・ザ・ムーンライト♪と♪マリー,カムバック♪、♪Dear
ミスター・シャーロック♪、♪マンハッタン・ジゴロ♪は昔も今も好きです。そしてラストのバラード曲♪シンプル・ソング♪はちょっぴり寂しいセプテンバーソングで、しんみりと聴き入ってしまいます。と、挙げた曲は偶然にもすべて松本さんの作詞。ぼくには南さんの曲と松本さんの歌詞が絶妙に心地いいようです。ところで、南さんを聴くきっかけになった♪ルート88♪はライブのアレンジとかなり違っていたのも驚きでした。
夜更かしを覚えた中学生の頃、ヘッドフォンをしては夜更けによく聴いたアルバムです。
|